忙しい。。って言ったよね。。ジュニア今日は、夜遅くまで。。家の用事やら色々あるって、口には出せないけど、月星人の女子大生かぐやは、大学のクラスメイトのケサランパサランのジュニアと結構イイ線いってたと自覚していたし、周りは、かぐやとジュニアが既に恋人同士だと思ってる人も何人もいるだろう。。
今夜は、ジュニアを誘おうと思ったら、家の仕事って事で。フーン、まぁ、そっか。ジュニアは確かに学生だけど、小さい頃から就労児童制度で家の仕事もしてきている事はかぐやも聞いているし。ゆくゆく、家業、ジュニアの実家の事業を背負って立つ身でしょうし。。複雑な何と言ったらいいのかわからないかぐやに、近くにいた、ジュニアの父親のグミさんは、気まずい。。と、ほとんど口を出さない息子の恋愛事情、女関係。。でも、バカだなぁ、なんで。。知り合いがいっぱい来そうなこんな、バージョンを酒飲み場に選ぶんだって!!酒は酒でも、避け、ろッて!と、思いながら、冷静になって、あ、まぁ、ジュニアは独身で彼女もいない、彼女も、付き合っている女の子がいるかどうか不明だし。。。
誰かわからないしいないなら別に、いいか。。でも。。なんと言うべきなのか、色々尽力してくれた心優しいかぐやが可哀想にもなる。
ところが、意外な事に、ルナが、「あっ、あの、ジュニアさんの、、。知り合いの方でしょうか??」とかぐやに積極的に、にこやかに問うた。ルナはクールなイメージだが、鋭さがなくなんとなくにこやかだ。
うわぁ。。と、グミさんが思ったものの、「あ、私、少し前から天然グミのサトウキビ農園でアルバイトさせていただいてます。ルナと言います。。あの、あなたは。。」かぐやは、手さぐり状況の様にルナの様子を伺いつつも。。なんとなくルナの麗しさというか、不思議な惹きつけられる様な魅力に不安気でもあり。。「あ、あっ、あの!!私は霜月かぐやです。月星人で、ジュニアと、大学が一緒でクラスメイトです。あ、ジュニア、今日は、で、デートだったんだー!なんだ、仕事が忙しいって、別に照れなくってもいいじゃんね??!」かぐやは私は何を言ってるのかしら。と、頭が混乱する。。誰しもが、この人とうまくいくかも!!なんて、もう空気が恋愛いっぱいの、気になる相手と恋人同士みたいなもの!という感覚が、不意に破られたというか、こっちの勘違いだったかというか、急に魅惑的な別の同性が彼や彼女の前に突然現れてしまったら。。。混乱せざるを得ないでしょう。。
「あ、あら!月星人なんですか!私もです、とは言っても、私は地球産まれ地球育ちで。親が仕事で月から地球に引っ越したみたいで、特に親の親族とも疎遠で月星人だけど月に行った事すらないんです、

でも、デートだなんて誤解です、私はアルバイトで今まで仕事があって、遅くなったからだから、たまたまジュニアさんとここに来ただけですし、それに他の従業員の方々もここにお誘いしたんですけど、みんなご家庭がありますでしょう?だから、たまたま、一人暮らしの私だけがジュニアさんとここに来れた、と言った感じで。ま、お疲れ様、みんなで仕事の後で飲もうか、みたいな会社の飲み会のノリでしたし。。あ、かぐやさんって、もしかして、ジュニアさんが霜月神社のお嬢さんがクラスメイトにいるって言ってたけど、お名前からして、かぐやさんが月の霜月神社のお嬢さんですか、月に行った事すらない私でも月星人ですし、

由緒正しい老舗な有名な神社で凄いのよね。。。」ルナがニコッとする、実家を褒められくすぐったい事を言われて、本当に仕事でしたから!と言われて、このルナさんって、結構いい人なんじゃ。。。ルナがきちんと仕事だと説明しホッとしたけれど。。。グミさんは不可解な顔をしていた。嘘だろうが。。かぐやの手前言えないけど、ジュニアは今日は実家の仕事なんぞしてなかったし、仕事が終わったルナを送って行った様だったし。多分、2人で遊びに行ってから、このバージョンに来たんだろうさ。でも、ルナはなぜか、かぐやに気を使っているのか、仕事の後だとスラスラ嘘をついている。。なんなんだろう、よくわからない。単純に考えれば単にジュニアと意気投合したから、デートというより同性友達感覚でジュニアと2人きりで仕事以外で会って、で、ジュニアに気がありそうなかぐやに対して誤解して欲しくないからかぐやを気遣い嘘をつくのか、警戒していたかぐやは、ルナの気遣いに少し機嫌が良くってきたし。
「いえ、そんな、うちは古いだけですよ。。私も時々巫女としてお手伝いしますけど、全然未熟者だし。あっ、よ、良かったら皆んなで飲みませんか。。」戸惑いがあるけど、かぐやは流れ的にルナやジュニアも誘って。。ジュニアは、心なし少し残念に見えた。もしかして、ゆっくりしっとりルナと落ち着いて2人だけで飲みたかったのかもしれない。

なんとなく、そんな息子の男心のときめきとやらがグミさんには後ろめたく察する。グミさんからしたら、クールな女性よりも、ショーコさんと結婚したぐらいだから気さくで
おっとりした女性の方が好ましいが、これはジュニアの問題だし。みんなツラい乗り越えるべき経験や恋愛経験を得て真実の愛に目覚めていくかもしれないし。静かな修羅場なのか、息子の成長過程に複雑な親心を制すると
「へー、ジュニア!綺麗どころ2人両手に花、ねー、あっ、グミさんもいるか!」バージョンのオーナーの食の福の神橘がからかう。。。グミさんは、
「あ、あー、皆んなで飲む!ってなると、支払いは俺か。ま、元々従業員のお疲れさん会というか飲み会だしな!かぐやちゃんもお世話になったし、ここはみんなで。。」ワザとらしいがいかにもジュニアとルナは単に仕事後の飲み会なだけという空気に加担する。。。俺が気を使う事でもないんだけどさ、なんとなくかぐやちゃんが可哀想で。。。

働き者でテキパキして明るいし意外にもルナはいい子だと思うんだけど、なんだろうか、あれからもチーコがいっこうにルナにはなつかない。。チーコがジュニアになついているから、さては、女心の嫉妬だか??とも考えたが、でも、チーコはかぐやにはよくなついてるし。かぐやを見ると尻尾を振る。それにジュニアは兄の様には思っているけど、ジュニアに近づく女の子に嫉妬する様な感情はないだろう。。そして、今この場でも
かぐやも戸惑いつもなんとなくまだ不安な手探り状況でルナを見つめる。。。謎めいているけれどルナは余裕ある優雅な笑顔を向ける。

さて。時は同じころ。。グミさんの自宅では。。
ウトウト。。チーコはお腹いっぱいになってどうやら夜ごはんを食べたらすぐに眠ってしまったようだ。確か、お風呂は朝に入る?みたいな声がした。ショーコさんと、ルルルがお風呂どうのこうの?みたいに誘ってくれたような、でも、それよりもう眠る優先態勢からあらがえなくなった。
夢うつつ。夢か、現実か。なんだろう、あれは、甘い誘われる様ないい香りではあるんだけど。。記憶の悲しい痛み。。。きっと世間一般としてはいい香りなんだろうなとはわかっている。。
でも。。それでもチーコはあの香りが。。
クラクラして。。嫌な感じ!!!胸が締め付けられ。。あの綺麗なお姉ちゃんは、そんな香りがするのだ。。なんかダメ。。確かに、いい香りなんだけどなんでだろう。。それは、どこかで嗅いだ事があるかもしれないから。。。苦手なんだ、なんでなのか。甘くて優しい香りで、どちらかというとうっとりするような。。。でも、イヤなんだ。あの、ルナってお姉ちゃん。。綺麗なんだけど。身にまとうあの香りからして。。
ハッ。。え、えっと、そうか、眠くなって、多分ショーコさんがおやすみルームに運んでくれたんだ、でも、まだルルルも豪介もいない。いつも3人でおやすみルームで寝ていて。。ルルルや豪介は、チーコが家に来てからというものの遊び相手だ!という事で、ママの紗耶さんが実家に預けっぱなしにしている。紗耶さんは実家でアルバイトをしているから頻繁にこのうちに来ているけど。その方がチーコも楽しいけど、あんまり良くない事かもしれない。でも、チーコからしたら、チーコの母親らしき人だったジュリアナという女よりはよっぽどマトモだ。。。あの女にはもう二度と関わりたくない。紗耶さんが子供の面倒を優しい親に見てもらっている事は甘えかもしれないけど、おかげでいつもルルルや豪介と一緒に暮らせるし、ショーコさんは困ったわねー、と言うけどあのジュリアナとかいう悪魔に比べれば、ショーコさんもなんだかんだで孫が可愛い感じだし、紗耶さんは全然マトモな事だ。なんて、ウトウト寝ぼけてまだみんな寝にきてないから、みんなの所へ行こうかでも眠いしな。でもさみしいしやっぱりみんなのとこへ。。とチーコは寝ぼけ頭でダラダラボーっとしていると。

「ねぇ、チーちゃん!」どこからか声がする。。えっ。。えっと?あれ?目の前の強い眠気と闘いながら、周りをキョロキョロするけど、誰もいないし。。あっ、誰もいないというか、正式には、チーコの枕元に、イモコがいた。

赤いアヒルのおもちゃのイモコは、友情のしるし。たくさんアヒルコレクションをしているルルルがチーコにくれたもので。。アッ、そう言えばイモコは確かに時々お喋りするかもしれない。露天風呂でチーコがウトウトしている時も話しかけて励ましてくれたし。。え。。えっとイモコ??!

それが、イモコはここ2、3日急にいなくなって今日あの苦手なルナさんがサトウキビ畑にいるのを発見してくれたのだ。。。なぜ、イモコが2、3日前に急に消えたのかわからない。突然朝起きたら居なかったのだ。また、イモコも居なくなるのか。。いつも一緒にいたのに!!!
前の家の里親がくれたアヒルのピーちゃんはサヨナラも言わずに別れさせられた。

初めてできた友達だったのに、あの子、ピーちゃんは結局は新しい友達ができたようで、チーコもルルルや豪介との出会いがあったし、そのルルルから、ピーちゃんの代わりにイモコを貰ったのだ。そのイモコが突然消えて。。。嫌われてしまったのか、イモコは他の友達を見つけて羽ばたいて行ったのか。

チーコにらルルルや豪介がいて寂しくないけど、でもイモコだって、せっかく友達になったのに、またピーちゃんの様にチーコから離れて行ってしまうのか。でも、ピーちゃんは、幸せになったし、イモコも幸せになる為にチーコの元から急に姿を消したのか。。ルルルも豪介もショーコさんも、いつもチーコが一緒にいるイモコが居ないのに気づいて大探ししてくれたし、ルルルは、「なんなら、違う子があるよ。

どうしてもイモコがいないなら、」と代替えの新しいアヒルの子を提案してくれたけど、

そうそうルルルに貰ってばかりではいけない。それに、友達になったばかりだというのにろくに探してないままイモコを見捨てる気がする。ルルルには、あちらが一歳お姉ちゃんとは言え情けなくもいつも自分の方ばかりが頼ってばかりだし。ほんとうに、ルルル以外もこのグミさんのおうちの人達には
自分はなんにもしてあげられてないのに。それに、イモコをすぐに諦めきれない。ちょっと気まぐれに散歩に行って迷子になっているかもしれないのだ。。もう、離れたくなんかないのに。。。でも、一緒に寝ていたはずのイモコが朝起きたらいなくなるなんて。逆サンタクロースでもいて子供から夢を奪い取る悪い爺さんでも来たんだろうか。。世の中には悪い人もいる事はジュリアナを嫌というほど見てチーコにもよくわかるのだ。。諦めそうになったけど、今日、あの苦手な綺麗なお姉ちゃん。。ルナさんという人が、サトウキビ畑の農作業中に発見して洗って届けてくれたんだ。

思ったよりもずーっとずっといい人かもしれない。。その、帰ってきたイモコ。今はお喋りできるようなので、チーコは赤ちゃんでまだ満足には喋れないがいったいどこへいなくなって、2、3日も。。。と心で問いかける。だけども、イモコはそれはナイショ。いくらちぃちゃんにでも言えない事がある。。となんだか含みを持たせたような思わせぶりな事を言ってくる。

アレ。。ちょっと雰囲気が、変わったかなぁ、イモコだよね。。???そんな事言うような子だっけ?イモコがちょっと奥深いというか、謎に満ちた雰囲気をまとうように見えて。。というのは、多分眠いから気のせいでしょう。イモコはやっぱりシンプルにイモコでしかない。それに、これは夢の中の出来事であるかもしれないし、イモコの雰囲気がいつもと違っていようが夢だからそれもアリだし。寝ぼけたような夢うつつ。?夢の中でイモコがお喋りできるなら、イモコに耳を傾けなければいけない。傾聴は癒しで、話しを聞いてくれる人がいたら、イモコもそれだけで嬉しいし、もっと自分を好きになるかもしれない。もう、急激にサヨナラは嫌なんだ。そりゃあ、いまから思えばぴーちゃんと別れたからルルルや豪介や、イモコと友達になれたのかもしれないけどね。。。

「ねぇ、さっきはチーチにナイショって言ってたんだけど、いい場所を見つけたんだ。で、ちぃちゃんと今度一緒に遊びにいきたいな、どう?あっ!みんなには絶対ナイショだからね!2人だけの、ヒ、ミ、ツ!!!」
その時イモコが微笑んでくれた気がしたんだけど、アレッ。。同時にあの甘くてかぐわしく誘惑的で、でもチーコが好きじゃない、苦手なあのお姉ちゃんの香りが漂った気がしたんだ??!
えっ。。と、思ったんだけどやっぱり、気のせいか。。そんな香りは。。その楽しげなイモコの誘いに、チーコが返事をしようとしたら、コンコンと、ノックの音がして、「ちぃちゃん、起きてるー??」と、ショーコさんに連れられたルルルがパジャマ姿で話しかけながら部屋に入ってきた。豪介も。。。

あっ。。イモコは、残念ながらみんなが部屋に入ってくる物音で、それともチーコは夢を見ていたのか、いつもの普通のアヒルのおもちゃのイモコに戻ってしまっていて。わー、
お返事、してなかったな。ま、いいか。イモコもちゃんと見つかったし。急にみんながおやすみルームに入ってきてにぎやかやになったけど、

でも、イモコも元に戻ったし。ルルルや豪介も眠い眠いと言っていたので、チーコもいつのまにか気がついたら

今度は本格的に眠に落ちていきました。
で、そのグミさん宅の近くの居酒屋バージョンでは、
「あらー、お酒強いのねー、」お酒に弱いかぐやはお酒に強いルナに関心しつつもすっかり出来上がってしまい。。

グミさんが心配そうに、「わ、かぐやさん、大丈夫??」運転があるので飲んで無いジュニアが、
「明日、午後から授業だろう。それまでに酒、切れるんかなぁ。。」と、なんだかあきれたように。。。ルナが話すとなかなか明るくいい感じなのですっかり安心して飲んでしまったのだ。ジュニアの事も誤解かもしれない。グミさんは
「しょうがないな、かぐやさん、ショーコに電話してうちに泊まってくか。部屋なら前泊まった部屋でも。。。」かぐやは「でもー、なんか、悪いですよう。。」

「まぁ、遠慮なく。明日はジュニアに学校送ってもらえばいいだろう。どうせおんなじクラスなんだしな。あ、えーっと、そろそろ帰ろっか。。ジュニア、最初に俺たち家で下ろしてルナさん送っていけ。」グミさんは、ジュニアに指示をして、お会計をサッと済ませた。

かぐやはなんだかよくわからないが、どうしたのか今日は飲んでしまった。ルナさんに対する警戒というか、ジュニアとの関係というか。。。でも、ルナと喋っていると楽しくてなんかよくわからないが話しに吸い込まれる様にて飲んでしまう。。お酒は弱いから、ほどほど控えめに、たしなむ程度に!と、思ってたんだけど、最初は。。。ルナさんのペースに合わせてしまったというか。負けたくないのかな、でも、ルナさんは残念ながらいい子かもしれない。美人でいい子なんて、なんだか勝ち目がなくて悔しい、だけど、憎めないし。ホラ、
お酒のせいか、へんな感じ。

だって、フラフラするかぐやを支えてくれたのはルナさんで、なんだか誘惑的なとろけるように甘い香りがする。。なんだろうな、ミステリアスで甘くて。。ルナさんはジュニアの車まで支えてくれると、運転席の隣の助手席のドアを開けて、酔い酔いの酔いなかぐやを座らせる、わぁ、優しいのね、ルナさん。
ルナさんとジュニアとどうのこうの、は多分勘違い。ジュニアと私に気を遣ってくれてる。。。かぐやはボーっとしつつ
ジュニアの車、あ、そうそう新しいんだっけ、かぐやはそー言えば車変えるって確かに、言ってた。ますますボーっとする頭で、さらなそんなこんな考え、
結局は、かぐやは、ジュニアの家に送迎されて出てきたショーコさんとルナさんに抱えられるようにしてゲストルームに運ばれて。。ベッドにダイブ。。寝心地が良すぎるベッドに吸い込まれるかのごとくかぐやは。。アルコールに負け。。
そっからは寝てしまい、記憶ない。。。

ルナはかぐやを支えて送り届けると、グミさん達に挨拶をしてまた玄関を出てジュニアやの車に戻りました、先ほどの続き後部座席に乗り込もうとすると。。ジュニアは、
「そんなぁ、いつもみたいに助手席で良くない??」「でも、かぐやさんに悪いわ。。」
ルナが遠慮がちに言う。。ところが、運転席のジュニアは首を振り、

「かぐやの事はいい友達だよ、おんなじクラスの同じ研究グループで、それだけ。。付き合ってはいないさ、あの、ルナさんは彼氏いないんだよね?俺と、付き合ってくれない?」
「えっ。。。」
そんな2人の少し遠めに。。。小さな赤い影。。。

もちろん、夜だし、ジュニアもルナも気づかないけど。。
「あら。。なんか。。大人って大変ね。。」
ジュニアの車の影から。。イモコは聞き耳を立ててため息をつく。